[A]
戦闘ダメージの発生源:《オパール色の輝き/Opalescence(UDS)》によって4/4のクリーチャーになっている《崇拝/Worship(USG)》
(「あなたがクリーチャーをコントロールしている場合、あなたのライフ総量を1点未満にまで減らすダメージは、代わりにそれを1点にまで減らす」を持つ)

戦闘ダメージの受け手:《崇拝》のコントローラー自身
(《輝く群れ/Shining Shoal(BOK)》によって、《崇拝》からの戦闘ダメージが向け直されている)
(戦闘ダメージを受ける前のライフ総量は1点で、《崇拝》以外にもクリーチャーをコントロールしている)

実際に戦闘ダメージが与えられる時点で《崇拝》が場にいる場合は、そのコントローラーのライフ総量は1点のまま(1点未満には減らない)だが、《崇拝》が場からいなくなっている場合には、そのプレイヤーのライフ総量は-3点にまで減る。
※「《崇拝》が場にいてもいなくても同じ」にはならない。

[B]
戦闘ダメージの発生源:《クルラスの騎士/Kulrath Knight(SHM)》(萎縮を持つ)

戦闘ダメージの受け手:クリーチャーα

実際に戦闘ダメージが与えられる時点で《クルラスの騎士》が場にいてもいなくても、クリーチャーαには-1/-1カウンターが置かれる。
※《クルラスの騎士》が場にいてもいなくても同じ。

 《崇拝》の能力は、rule215.2の「プレイヤーに与えられたダメージは、その量だけそのプレイヤーのライフを減らす」を、《クルラスの騎士》の萎縮は、rule212.3gの「クリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーに残る」を変更する能力ですが、その結果がそれらのパーマネントの有無に左右されるかどうかに違いがあります。
 この違いは、どこから来るのでしょうか?

 以下のように考えました。

[A]:《崇拝》の能力によって生み出された継続的効果(置換効果)がルール(rule215.2)を変更している。
[B]:《クルラスの騎士》の萎縮それ自体は何もしない(何の効果も生み出さない)。ルール(rule212.3g)を変更しているのは、別のルール(rule502.80a)である。

502.80a 萎縮を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージはクリーチャーに残らない(rule 212.3g 参照)。そうではなく、それはその点数に等しい-1/-1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。


 《崇拝》が場にないとルールを変更する効果が生じないので、通常どおりダメージ分だけライフ総量が減るのに対し、萎縮の場合は、ルール変更は萎縮自体ではなく別のルールによるものなので、萎縮を持つ《クルラスの騎士》が場に居ようが居まいが無関係であり、このルールが「《クルラスの騎士》が萎縮を持っているかどうか」を参照して(《クルラスの騎士》が場に居なくても、その最後の情報を用いて)ルール変更をする(-1/-1カウンターを置く)から、と考えてみたのですが、どうでしょう?

 ……あれ? だとすると、《倍増の季節/Doubling Season(RAV)》はこのルールによって置かれる-1/-1カウンターの数を倍にしないのでは?
 だって、ルールは効果ではないじゃないですか!

コメント

nophoto
okay
2008年8月13日1:18

《崇拝》との差はダメージの発生源をチェックするか、しないかの差ではないでしょうか。
シャドウムーアFAQに

ダメージの発生源が、そのダメージが与えられるときにまだ場にある場合、それが萎縮を持つかどうかはそれの特性でチェックする。 その時点で場を離れていた場合、それの最後の情報が用いられる。

とあり、戦闘ダメージのCR項目にも

310.4b ダメージの発生源は、その時に場に存在していればそのクリーチャーであり、場に存在していなければその場を離れる直前の情報を見る。

とあるように、ダメージの発生源であれば最後の情報を参照できるので、それにより萎縮を持つかをチェックして萎縮の効果により-1/-1カウンターを置いているのでは。

ミズタマ
ミズタマ
2008年8月13日22:32

> 《崇拝》との差はダメージの発生源をチェックするか、しないかの差ではないでしょうか。

 萎縮の場合、萎縮能力自体ではなく、総合ルールの502.80aに「-1/-1カウンターを置く」働きがあり、それが「ダメージ発生源が萎縮を持つかどうか」をチェックして、ダメージを受けたクリーチャーに-1/-1カウンターを置くかどうかを決めています。
 萎縮は、言わばただの「ラベル、目印」にしかすぎません。

 《崇拝》の場合は、その能力に「ライフ減少を阻止する」働きがあります。
 「ダメージ発生源(=《崇拝》)がそのライフ減少阻止能力を持つかどうか」をその能力自身がチェックする意味などないので、元からチェックが行われないのです。

> それにより萎縮を持つかをチェックして萎縮の効果により-1/-1カウンターを置いているのでは。

 rule502.80aを指して「萎縮の効果」と言っているのならば、ルールは効果ではないので、その言い方は適切ではありません。
 そうではなく、萎縮能力自体が-1/-1カウンターを置く効果を生み出すことを意味しているのならば、以下の疑問が生じます。

[1]
 萎縮を持つ《クルラスの騎士》が既に場を離れている場合、萎縮は-1/-1カウンターを置く効果を生み出すのでしょうか?

 《崇拝》の場合、実際に戦闘ダメージが与えられる時点でそれが既に場を離れているならば、《崇拝》の「ライフ減少を阻止する能力」は全く働きません。
 仮に「ダメージ発生源は『ライフ減少阻止能力』を持っているか?」と問われれば、その最後の情報を用いて、「はい」という答えを返すにも関わらず。

 萎縮の場合も、《クルラスの騎士》が既に場を離れているならば、萎縮は-1/-1カウンターを置く効果を生み出したりしないはずではないでしょうか?

[2]
 rule416.1では、効果の分類のようなものが述べられているのですが、
*呪文や能力の解決によって生み出される、単発的効果や継続的効果
*常在型能力によって生み出される、継続的効果
*状況起因効果
が挙げられています。

 「萎縮の効果」とは、上記の二番目にある「常在型能力による継続的効果」が該当しそうです(一番目・三番目は明らかに違う)が、ここで私は思うのです。

 萎縮が常在型能力であるのならば、総合ルールのキーワード能力の記述によくあるような「萎縮は、『…』を意味する」という書き方をしたとき、「…」はどんなテキストで表されるのでしょうか?